噛み合わせから全身を整える新しい咬合の考え方「シン中心位」
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- STEP 1仰臥位でリラックス
- 診査のスタートは、仰向けの状態で全身の力を抜いた「リラックスした姿勢」をつくることから始まります。
背中・肩・足の位置を整え、筋の緊張を取り除きます。
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- STEP 2筋のリラクゼーション
- 咬筋や側頭筋といった、咀嚼運動をつかさどる筋肉の緊張をマッサージや温熱などで緩め、患者さん本来の自然な筋の状態を引き出します。
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- STEP 3呼吸・嚥下による自然な誘導
- 口を無理に動かすのではなく、呼吸や嚥下などの日常的な運動の中から、筋の記憶を活かした機能的な下顎位を誘導します。
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- STEP 4顎関節機能の評価
- 関節の動きを確認しながら、「カクカク音(クリック)」「滑走障害」「下顎の偏位」などがあるかを丁寧にチェック。
関節円板や靭帯などの状態も併せて評価します。
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- STEP 5咬合器による記録と分析
- 得られた咬合位を、フェイスボウという装置を使って咬合器に再現し、今後の治療計画のベースとして記録・保存します。
再治療や矯正の方針決定にも活用できます。

「しっかり噛めているはずなのに、なぜか顎が疲れる」
「肩こりや頭痛がいつも続いている」
「以前に治療した歯なのに、なんとなく噛みにくい」
こうしたお悩みを抱えていませんか?
実は、その原因のひとつに「噛み合わせのズレ」や「顎の位置の不安定さ」が潜んでいる可能性があります。
当院が導入している「シン中心位」という考え方は、噛み合わせだけでなく、筋肉・関節・姿勢・呼吸など、身体全体の調和から“最も自然で安定した顎の位置”を導き出す新しい診断・治療法です。
顎や噛み合わせの問題はもちろん、「慢性的な体の不調」までを見直す手がかりになるかもしれません。
当院は、「シン中心位臨床研究会®️」から正式に認定を受けた歯科医院・認定ドクターとして、より正確で信頼性の高い診査・診断・治療をご提供しています。
⇒「シン中心位臨床研究会®︎」の公式サイトはこちら
噛み合わせと全身の健康をつなぐ“新しい基準”

「シン中心位」とは、顎関節と筋肉のバランス、そして全身の姿勢や運動機能までを考慮して導き出す、下顎のもっとも安定した位置のことです。
従来の「中心位(Centric Relation)」は、歯の接触関係や顎関節の構造に基づいて導き出される咬合位でしたが、「シン中心位」はより生理的で、筋肉や神経の働きを尊重した自然な顎の位置を求めていく点が大きな特徴です。
この概念は、歯科医師だけでなく理学療法士・医師など多職種が連携する「シン中心位臨床研究会®︎」によって広められており、補綴(クラウン・義歯)治療はもちろん、矯正・咬合再構築・顎関節症の治療などにも応用されています。
シン中心位の定義と特徴
全身のバランスを重視する顎位

シン中心位の大きな特長は、「咬み合わせを治す」ことだけにとどまらず、身体全体の筋肉・骨格・神経のバランスを整えることに重きを置いている点です。
姿勢や呼吸、歩行や運動時のバランスまでも咬合と密接に関係しており、正しい顎の位置が定まることで、慢性的な肩こりや頭痛、疲れやすさの軽減につながることもあります。
従来の中心位では取りこぼされていた、
「患者さんの感覚的な快適さ」
「筋のリラクゼーション」
「自然な姿勢」
を、シン中心位では治療計画に組み込んでいきます。
従来の中心位との違い
「中心位」という言葉は、歯科医療において古くから使われてきた重要な概念です。
しかし、「シン中心位」は、この従来の中心位の考え方をさらに進化させたものです。
従来の中心位は、顎関節の最も後上方にある「回転中心」に下顎骨が位置する状態を指すことが多く、主に顎関節の解剖学的な位置関係を重視していました。
もちろん、これも正しいのですが、患者様の感覚や筋肉の状態が考慮されにくい側面もありました。
これに対し、シン中心位は、単なる解剖学的な位置だけでなく、筋肉の緊張状態、顎関節にかかる負担、そして患者様ご自身の快適性をより深く追求します。
中心位(CR) | シン中心位 | |
---|---|---|
定義 |
顎関節頭が関節窩の最も後上方にある位置 |
筋肉・関節・姿勢の調和から導かれる最も自然な顎位 |
対象 |
主に咬合の再構築・補綴治療時 |
咬合再構成、TMD、補綴、矯正、全身医療まで |
方法 |
咬合器や関節構造中心の分析 |
筋の緊張・呼吸・嚥下・姿勢まで多角的に評価 |
シン中心位を導き出す診査・診断の流れ
シン中心位を活かす治療メニュー
① 咬合再構成

歯を複数本治療する場合や、噛み合わせ全体を調整する必要がある場合には、顎位の再構築(咬合再構成)が必要です。
シン中心位を基準に設計することで、見た目だけでなく、全身のバランスを整えた精度の高い咬合設計が可能となります。
② 顎関節症の診断・治療

「顎がカクカク鳴る」「口が開きにくい」「顎が痛い」など、顎関節症(TMD)でお悩みの方には、シン中心位を用いた関節機能中心の診断とリハビリ的アプローチが有効です。
症状の原因を「関節構造」だけでなく、「筋肉の使い方」「姿勢」「食いしばり」なども含めて多角的に評価・治療します。
③ 補綴(義歯・クラウン・ブリッジ)治療

クラウンや義歯を作製する際、誤った顎の位置に合わせて作ると、将来的に顎関節や周囲筋へ負担がかかる可能性があります。
シン中心位に基づいて補綴物を設計することで、長期的な快適さと機能性を兼ね備えた補綴治療が可能となります。
④ 矯正治療

矯正治療では、「見た目の歯並び」だけでなく「噛み合わせ」「顎の位置」「呼吸経路」なども重要視されます。
シン中心位を用いることで、見た目だけではなく、機能的で再発しにくい矯正治療が実現できます。
まとめ:シン中心位は、全身を見据えた“これからの咬合治療”

シン中心位は、「歯並びをきれいにする」「噛めるようにする」といった従来の目的にとどまらず、全身のバランス・運動機能・呼吸・生活の質までを見据えた次世代の顎位設計です。
「肩こりや頭痛がなかなか良くならない」
「以前に噛み合わせを治したのに、違和感が続く」
「顎関節症が繰り返す」
「治療後も噛みにくさがある」
このような症状でお悩みの方は、シン中心位臨床研究会 認定ドクターが在籍する当院にぜひご相談ください。
正確な診査と全身を見据えた治療計画で、根本的な改善を目指します。
詳しくは【シン中心位臨床研究会®️ 公式サイト】をご覧ください。